
「元町・中華街駅」周辺は外国人居留地時代の横浜の歴史の跡をいまも伝えており、元町商店街、中華街、港の見える丘、外人墓地、山下公園など、連日多くの人々で賑わっている。
従って我々は、この駅を開港当時の歴史博物に関わるガイドブック、即ち「本」の駅というコンセプトでデザインした。横浜開港資料館より提供された当時の風物の絵葉書を真っ白な大型陶板に写真製版によって拡大して焼き付け、展示しようと試みたのである。
ホームの壁面や天井には街並み、コンコースには等身大の人物や道具等がプリントされている。画像はすべてグレイで細かなグリッド毎にトーンを指示するデジタル処理によって生々しい印象を回避している。この作業は書物の編集のようで、編集者(鈴木明)やグラフィックデザイナー(松田行正)等との共同作業によって進められた。
純白な空間にプリントされたさまざまな風物からは当時の生活が偲ばれて「もうひとつの開港資料館」のような趣を呈している。